現場のメンバーからマネージャーまで、働く人の満足度を上げながら売り上げに貢献する関わり方

金井 路子(株式会社グロースエンジン 代表取締役)

2015/08/12

金井氏は、ディー・エヌ・エーでのモバオク事業の立ち上げを経て独立。今は新規事業立ち上げや、Eコマース、既存事業の変革など領域で、結果の見えるコンサルティングを行っている。過去のキャリアや、今のコンサルティング方法に至るきっかけを聞いた。

-これまでのご経歴を教えてください。

 編集と、企画ライターを経て、インデックスにウェブディレクターとして入りました。企画が通ったらすぐサイトオーナーになるという会社だったので、携帯の公式サイトを全36本、企画から運営まで手がけました。また、上場を通し、会社が成長する過程を体感したのもこのときです。

編集・ライター時代の、〆切を死守する経験は染み付いています。500万部以上発行される企業報を発行していたので〆切は絶対でした。〆切に向かい最善を尽くすことは、実はインターネットサービスも同じです。決まったサービスリリース日は死守してそこまでにタスクを潰す。納期までに、何かしらのトラブルは必ず起こりますが、それも想定して〆切を守る。守らないといけないのは、自分の仕事範囲より先に〆切だと思うので。〆切を意識して逆算で仕事をした経験が今も根底にあるような気がします。「できない」と言わなくなりました。まず「やってみます」と言って、やり方を考えるようになりましたね。

-今はECをメイン領域にしていらっしゃいますね

現在に関わる一番大きな転機は、インデックス時代のECの立ち上げです。それまでの携帯公式サイトのサービスは、内容が変われど、エンジニアとデザイナーと企画である自分の三者の組み合わせで進められました。ところが、ECになった途端、倉庫業者、メーカー、配送業者など、ネット以外の商流にいる人たちの協力も必要になりました。これまでと違う複雑さはありましたが、世の中の商慣習の基本である小売について学べたことが、すべての根幹になっています。当時は、MDとして売れる商品を探したり、TV番組と連動したオリジナル商品を企画して20万個完売させたりしました。売上を上げ、利益率を高めたい、それならオリジナル商品をヒットさせようと企画しました。目的達成のためにどんな方法があるかを考えるのはどんな仕事も同じだと思っています。

影響が及ぶ範囲すべてに配慮する

その後、2002年株式会社ディー・エヌ・エーに入社しました。モバオク・モバコレ・skygate事業立ち上げに携わり、ビッダーズ事業営業部長や、モバオクマーケティング部長をいたしました。

ディー・エヌ・エー時代には、上司からとにかく数字で語ることを徹底させられました。説得するために数字根拠を用意しろと言われました。1より2が大きいことは誰でもわかるから、感覚値ではなく数字で説明しなさいと言われ続けました。ですので、課題解決のご提案の際も、数字で理解いただけるように心がけています。

ディー・エヌ・エーでは、サービスの立ち上げはもとより、2005年終わりに、モバオク初の大規模広告に関わりました。ノウハウがない中、3億円という過去に類を見ない広告予算で困っていたところ、ご縁あって大手広告代理店出身のプロを紹介してもらいました。交通広告やTVCMなどいろいろ利用したのですが、その際プロから、一番最初にカスタマーサポート部門に広告内容を知らせるよう指示を受けました。責任者自ら説明することで、カスタマーサポートのアルバイトメンバーまで全員が、自社の広告に愛着と誇りを持ってくれるようになりました。有名になることで出てくるバッシングもあったのですが、カスタマーサポートのメンバーが、対応は任せてください、大丈夫ですとやりきってくれました。この時、先を見て広い範囲でコミュニケーションすることの大切さに気付かされました。職務の範疇ではなくても、影響が及ぶ範囲すべてに配慮する姿勢を学びましたね。全てに配慮するというのは今も心がけています。

-金井さんの今の働きかたにつながっているのですね

担当させていただく企業には、初期は極力常駐させて貰うようにしています。時には、社員の方とお弁当を囲んで食べることも。そうすると、現場にしかわからない課題が見えてきます。依頼時には可視化されていない課題も見つかったりします。現場の人が、私がいなくなった後も、自分たちで出来るようになるのが一番だと思うので、現場に寄り添い、コミュニケーションをよく取るようにしています。

共通の「起こしたい結果」を目指すために足りない部分を補う

以前、お手伝いした企業様は、売上を上げたいという目的でご相談いただきましたが、じっくりヒアリングをして紐解いてみれば、それぞれの部署が連動できていないのが原因でした。そこで現場の声を吸い上げ、連動できていない原因を一つずつ潰していき、現場が動きやすいような環境をつくりました。結果として、部長さんから「3ヶ月前は気づかなかったけれど、今、全てが噛み合って、売上が上がっています」と御礼のメールをいただきました。そのメールには、現場の方が名指しで、誰々はこう頑張っている、こう変わったと記載してありました。現場の人が出来るようになり、さらに評価が上がったってことだと思います。

私が何かを成し遂げたという実績が、その会社に残るというよりも、既存のメンバーが頑張り、結果売上が上がることの方が、実は本質的だと思っています。ですので、広告を出すようなわかりやすい結果が出なくても、今後現場を引っ張っていかなければならない方の実力やモチベーションや評価があがるようなお手伝いをしていきたいですね。

ECの売上を上げたいという依頼でも、売上を上げるためには人が足りないと気付き、正社員採用を担当をしたこともあります。直近の例では140人のレジュメを見て70人ほどお会いし、結果5名採用に至りました。コンサルティングとしてはここまでやるのは異例なのかもしれませんが、単に売上を上げるためだけではなく、影響が及ぶすべての評価や満足度が高まる仕事をしたいと思っています。

-専門領域がわからなくなってきました(笑)

ITサービスを立ち上げたいとご相談を受けることが多いのですが、目的やお悩みを紐解くと実はそもそも人が足りないから採用が必要だねとか、意外な問題点が見えてくる。専門外だからやりません、ではなく、出来る範囲は手伝い、また出来る人を巻き込んだりしていきます。現場、マネージャー、トップ、それぞれの感じ方にはギャップがあります。ですが、売上げアップなど、共通の「起こしたい結果」は必ずありますよね。それぞれの立場にたちつつ、結果を目指すために、足りない部分を補う仕事をしたいと思っています。

-要件定義が定まっていない中でのご相談でも問題ないのでしょうか。

はい、全く問題ありません。要件定義をするための、課題の可視化からサポートします。ふわっとした状態でもご相談いただいて結構ですよ。

DeNAでモバオクを立ち上げ!短期間で成果が見えるビジネスを構築

コピーライター・編集者を経て、1999年株式会社インデックスに入社し、携帯公式サイトを全36本企画から運営までを手がける。2002年株式会社ディー・エヌ・エーに入社。モバオク・モバコレ・skygate事業立ち上げ、ビッダーズ事業営業部長、モバオクマーケティング部長を担当。以来、モバイル・Eコマースを中心に、webサービス事業開発・運営、マーケティングコミュニケーション&デザインを経験する。

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